現代社会の、特に先進国に共通して直面している問題として、発達障がい特性による”生きづらさ“”困難感“が、メンタルヘルスの悪化と密接に関係していることが注目されています。子どもたちの健やかな「こころの育ち」は人生を大きな大木に例えるなら、しっかりした根と幹を育てることにほかなりません。そのためには私たち大人はどの様な土壌(環境)を用意し、どの様な水(栄養や教育)を与えていけば良いのでしょう。連合小児発達学研究科はこのような課題を科学的・社会学的・医療的な観点からアプローチし、幅広い知識を持った専門家を育成することを目的に2009年に設立されました。初代の谷池雅子教授時代に研究室の基盤が築かれ、2024年から私が引き継いで研究と実社会の橋渡しを発展させていく所存です。当研究室では、子どもの脳の発達やそれに影響を与えるさまざまな要因について最新の脳科学研究の手法を用いて解明し、発達に困難感を抱える子どもさんの診療や学校・地域との連携を通して子ども達の良き伴走者となる環境づくりを提案していきます。
連合小児発達学研究科 教授
下野 九理子
下野 九理子