大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科(以下,連合小児発達学研究科)は,5つの国立大学法人の発達神経科学・脳科学・臨床医学・心理学・教育支援学などの異なった背景を持つ研究者が集い,既存の領域を超えた新しい学際領域を創設し,「子どものこころ」の諸課題に対して科学的な視点で対処できる高度専門人材を育成し,関連する科学・医学を大きく進めることを目的として開設された大学院です。同時に,各大学には「子どものこころの研究センター*」が設置され,新たな診断法や治療法・介入法の確立を目指した研究を展開し,過去10年余において,教育現場も含め,得られた成果の積極的な社会実装を進めてきました。
そして,令和元年度~令和3年度には,文部科学省の支援を得て「子どものこころの研究センターから展開する国際研究拠点の形成と社会実装」事業**を,上記5大学に弘前大学医学部附属「子どものこころの発達研究センター」も加わった6大学体制にて実施しました。この事業は,文化的特性への配慮が不可欠な「子どものこころ」の諸課題をアジア文化圏にて解決するため,アジア圏各国を代表する有力大学・関連機関と協働し,我々が培ってきた研究成果を基盤とし,アジア圏の社会文化的な特性を反映させた治療介入法の確立とその実践を多施設共同にて目指したものです。この事業は令和3年度に終了となりましたが,幸いにも令和4年度から,やはり文部科学省の支援の下,上記事業の継続ともいえる「連合小児発達学研究科関連5大学子どものこころの研究センターによる国際拠点形成とOUエコシステムアジア展開」事業***を始めることができました。事業は令和8年度まで5年間の予定です。
限られた期間ではありますが,引き続き子どもの幸福の実現に貢献するべく,特にこの新事業においては,最新の成果を社会実装し,そこでの問題を新たな課題として研究を進め解決を図るOUエコシステムを基本コンセプトとし,アジアコンソーシアムのハブ拠点として欧米にはない研究を世界に発信することを目指しております。
事業初年度は前連合小児発達学研究科長である大阪大学大学院谷池教授の主導のもと、アジア圏との多施設協働研究の基盤整備を進めてまいりました。事業2年目に当たります本年度におきましては、拠点たるべく先端的な研究の実施に加え、アジア圏諸機関と実際に協働研究をパイロット的に実施し、より大きな枠組みでの研究へ展開を図る段階となっております。
本HPは,本事業の活動を広く知っていただくとともに,関係する方々からご意見を頂き,少しでもより良き活動となることを目的として開設しました。 ご覧いただき,ご意見などいただけますと幸いです。