2021-07-27
連合大学院小児発達学研究科金沢校(金沢大学子どものこころの発達研究センター)の辻知陽と辻隆宏は、バルプロ酸 (VPA)誘発自閉症モデル仔マウスを用いて、幼少期オキシトシン投与が社会性に与える影響を解析している。以前の研究で、母仔間のコミュニケーションの指標である仔マウスの超音波発声(USV)を用いて一過性のオキシトシン効果を検討し、VPAにより減少したUSVの発生数が回復することを示した。今回、USVのパターン変化を長時間分析したところ、生理食塩水(saline)を投与したコントロール群と比較して、オキシトシン投与群では発生数、複雑なコールパターンが共に増加し、120分まで持続することが明らかになった。この結果より、オキシトシン投与によりVPA誘発自閉症モデルマウスの感覚モダリティが向上することが示唆された。本研究成果は、 2021年7月27日付で学術専門誌 Neuroscience Lettersに掲載・発表された。
Tsuji T, Mizutani R, Minami K, Furuhara K, Fujisaku T, Pinyue F, Jing Z, Tsuji C, Oxytocin administration modulates the complex type of ultrasonic vocalisation of mice pups prenatally exposed to valproic acid, Neurosci Lett. 2021 Jul 27;758:135985.