研究成果

神経発達症モデル動物において軸索起始部の長さが変化することを発見

2022-01-21(オンライン早期公開版2021-12-28)

 大阪大学子どものこころの分子統御機構研究センター(片山泰一研究室)の吉村武講師らの研究グループは、大阪大学大学院医学系研究科の臼井紀好准教授らと共同研究を行い、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症のような行動を示すモデル動物において、神経細胞の軸索起始部(軸索の根元の領域)の長さが変化していることを発見しました。この長さの変化はマウスとラットで同様に観察されることから、動物種を超えて見られる現象と考えられます。本研究は動物モデルを用いて、神経発達症(自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症)において軸索起始部の変化を世界で初めて報告しました。神経発達症の病因解明の足がかりになることが期待されます。本研究成果は、国際学術専門誌「Neurochemistry International」に掲載されました。

Usui N#,*, Tian X#, Harigai W, Togawa S, Utsunomiya R, Doi T, Miyoshi K, Shinoda K, Tanaka J, Shimada S, Katayama T, Yoshimura T* (#co-first author; *Corresponding author). Length impairments of the axon initial segment in rodent models of attention-deficit hyperactivity disorder and autism spectrum disorder.

Neurochemistry International, 153, 105273, 2022. doi: 10.1016/j.neuint.2021.105273.