「子どものこころに関する諸問題」は社会的に対応強化の要請が高い喫緊の課題であるにも関わらず、脳科学的基盤の解明、治療・介入法の開発に対しては、いまだ根本的な解決にはいたっておらず、またその問題の解決に必要な専門家の数が圧倒的に不足しています。「子どものこころに関する諸問題」に関する研究開発は、世界規模で活発に取り組まれており、特に欧米ではコンソーシアム形成が急速に進んでいますが、アジアではその開発が遅れているという現状がありました。
「子どものこころの研究センターから展開する国際研究拠点と社会実装」事業では、6大学子どもセンター(大阪大学、金沢大学、浜松医科大学、千葉大学、福井大学、弘前大学)によるネットワークで培ってきたノウハウを生かし、「子どものこころ」に関する多施設共同研究の実施支援体制の構築と、共通プロトコールのもとアジアコンソーシアムのハブ拠点となることを目標としています。そのことにより、「子どものこころに関する諸問題」の背景にある遺伝・民族・文化の違いに基づいた国際比較が可能となり、それらの成果を世界に発信し、同時に拠点化の基盤を強化することで、アジアを中心とした世界的拠点となることを目指しています。
「子どものこころの研究センターから展開する国際研究拠点と社会実装」事業では、3つの委員会と5つの部会による実施体制がおかれ、各委員会・部会においては、主に次のような事業活動を行っています。 ①推進委員会では、本事業に関する方針の策定・立案・計画を行い、②実行委員会が各部会の中心となって審議・実行します。また、③広報委員会は、事業の広報活動や情報の管理運営、また情報通信による広報情報の管理運営等を行います。
④共同研究推進・⑤国際ハブ化推進部会(現在は一つの部会として活動中)では、エビデンスを持った研究成果には必須である多施設共同研究のマネジメント体制を確立し、多施設単一プロトコールによる研究を推進するとともに、欧米との国際比較を可能とするアジアコンソーシアムを構築し、アジアの特性を鑑みた介入法や研究成果を世界に発信するための国際ハブ拠点化を推進し、国内・国外共同研究と交流の推進に取り組んでいます。
⑥拠点化基盤推進部会では、6大学子どものセンターおよび関連施設で今までに蓄積してきたデータの共有を積極的にすすめ、これらのデータ・特殊装置・特殊マテリアルといった拠点化基盤の強化と、それらの共同利用を推進することを目的として活動しています。 ⑦社会実装支援部会では、自治体等との連携による研究成果の社会実装や国際展開を目的とする諸活動に対する支援を行います。また、⑧若手人材育成部会では子どものこころに関する若手人材の育成に取り組んでいます。
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