研究成果

ゲノム編集で長い遺伝子を導入したノックイン動物の作製法を開発

2021-02-03

連合小児発達学研究科大阪校の岡雄一郎講師、佐藤真教授らの研究グループは、大阪大学医学部の真下知二准教授(研究当時・現東京大学教授)らとの共同研究で、ゲノム編集を利用して長い遺伝子を導入したノックイン動物の作製法を開発しました。ゲノム編集は動物のゲノムに任意の変異を導入できる画期的な手法ですが、ゲノム上の狙った位置に長い遺伝子を導入した遺伝子改変動物を効率よく作製するのは困難でした。研究グループは、ゲノム編集の際に切断されたゲノムが修復される2つの機構を組合わせることで、3kbを超える長い遺伝子を狙った位置に正確に導入する手法を開発しました。この手法はマウスだけでなくラットなど病態モデルとして利用される実験動物にも適用でき、さまざまな疾患の病態や治療法の研究に利用されることが期待されます。本研究成果は、2021年2月に米国科学誌「Human Genetics」に掲載されました。

Yoshimi K, Oka Y, Miyasaka Y, Kotani Y, Yasumura M, Uno Y, Hattori K, Tanigawa A, Sato M, Oya M, Nakamura K, Matsushita N, Kobayashi K, and Mashimo T. Combi-CRISPR: combination of NHEJ and HDR provides efficient and precise plasmid-based knock-ins in mice and rats. Human Genetics. 2021 Feb;140(2):277-287. doi: 10.1007/s00439-020-02198-4. Epub 2020 Jul 2.

知財化
◆ 特願2019-072782 非相同末端結合と相同組換えを組み合わせたゲノム編集ノックイン法