研究成果

単一ニューロン解析で大脳皮質の頭葉間をつなぐ神経回路のでき方を解明

2021-07-06

連合小児発達学研究科大阪校の岡雄一郎講師、佐藤真教授らの研究グループは、大脳皮質の頭葉間をつなぐ、創造性や異なる感覚情報の統合、意志による運動の制御などの大脳皮質の高次機能に重要な神経回路のでき方を解明しました。マウス大脳皮質における単一ニューロンレベルでの解析により、頭葉間の回路は同側だけでなく反対側の大脳半球も含めた広範なネットワークを持つこと、頭葉間の神経回路は左右の大脳半球をつなぐ神経回路から出芽する枝分かれとしてできることを明らかにしました。今回研究の対象にした神経回路の形成不全は、器用な動きが苦手という症状(発達性協調運動障がいの一種)と関連しており、本研究の成果は、これらの疾患(群)における回路形成不全の実態解明と、それに基づく治療法の開発への展開につながることが期待されます。本研究成果は、2021年7月7日に米国科学誌「Cerebral Cortex」(電子版)に掲載されました。

Oka Y, Doi M, Taniguchi M, Tiong SYX, Akiyama H, Yamamoto T, Iguchi T, and Sato M. Interstitial axon collaterals of callosal neurons form association projections from the primary somatosensory to motor cortex in mice. Cerebral Cortex.In press 2021. doi.org/10.1093/cercor/bhab153.