研究成果

大脳皮質が機能領野ごとに区分され接続する仕組みを解明

2021-06-03

連合小児発達学研究科大阪校の佐藤真教授らの研究グループは、大脳と小脳を連動させるのに重要な中継場所である、橋(きょう)へ大脳皮質から伸びる神経回路(皮質橋路)がつくられる過程で、大脳皮質の機能領野ごとに神経回路を区分して接続する仕組みを明らかにしました。大脳皮質には様々な領野があり、機能ごとに区分されていますが、それぞれの神経回路が混線することなく、脳の離れた領域につながる仕組みは不明でした。今回、細胞膜タンパク質であり、結合すると両方向に反発性のシグナルが伝わる相互反発分子EphA7とEfnA5が脳領域ごとに区分された神経回路形成を制御することを発見しました。神経回路形成異常を一因とする疾患(群)の理解や脳内回路再生による治療法開発への応用が期待されます。本研究成果は、2021年6月3日に米国科学誌「The Journal of Neuroscience」に掲載されました。

Iguchi T, Oka Y, Yasumura M, Omi M, Kuroda K, Yagi H, Xie M-J, Taniguchi M, Bastmeyer M, and Sato M. Mutually repulsive EphA7-EfnA5 organize region-to-region corticopontine projection by inhibiting collateral extension. The Journal of Neuroscience,2021 Jun 2;41(22):4795-4808. doi: 10.1523/JNEUROSCI.0367-20.2021.