卒業生の声

大須賀優子
公益社団法人子どもの発達科学研究所 主任研究員
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科後期博士課程修了(2019年度)
小児発達学博士
小学校教諭として過ごした20年間は、障害のある子どもと共に学び、成長し続けることができる喜びを折々に感じる日々でした。一方で 「育ちゆく子ども達の様に、自分ももっと学びたい。子ども達のことを正しく理解し、その成長にもっと役立ちたい」という思いもありました。 本学での学びは決して平坦な道ではありませんでしたが、学べば学ぶほど、かつての子ども達の姿や生活の一コマについて、ベールが1枚1枚はがれていくように、 より鮮明に理解できるようになる感覚を得ました。知らないことが分かる、そのことで誰かの役に立てるという喜びは、小学校教師として感じていたものと全く同じです。 しかし、本学の課程を経たことで、かつて予想していたよりもはるかに深く子どもの発達を理解し、それを支える有効的な方法を得ることができました。私に確かな基盤を 与えてくれた本学に心から感謝をし、今後も子ども達のように学び続けていきたいと思います。
吉村優子
金沢大学人間社会研究域学校教育系,金沢大学子どものこころの発達研究センター
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科 准教授
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学 小児発達学研究科後期博士課程修了(2012年度)
小児発達学博士
数年間にわたり、大学での研究や小児の病院で言語聴覚士として勤務してきた経験から、自閉スペクトラム症の子どもの発達や支援に対する関心をもっていました。 この興味を追求したいと思うようになり、連合小児発達学研究科に入学しました。
連合小児発達学研究科での学びは、専門分野の知識を深めるだけでなく、新たな領域に挑戦する機会を与えてくれました。科学的な手法や実験デザインの重要性を学び、 また、先端技術や最新の研究成果に触れることで、自身の研究に革新的なアプローチを導入することができたことは、大きな財産です。研究に没頭する中で、子どもの人の声に対する脳の反応が、 言語能力と関連することがわかり、また、自閉スペクトラム症の子どもたちは異なった脳反応の発達を示すことが明らかになりました。研究を通して子どもたちの状態を客観的に正確に解読し、 理解することが、自閉スペクトラム症の子どもたちに対するより適切な支援や治療法を提供する手助けになる可能性を見出し、次なる発見を求めているうちに、気が付けば、既に10年以上が経っていますが、 私は今も「言語発達の神経基盤」の研究と支援法についての研究に取り組んでいます。 先生方や研究室の同期とは今でも交流があり、共同研究を進めています。彼らとのつながりは私にとって大切な支えであり、刺激源です。仲間とともに、そしてまた新しい仲間を増やしながら、 子どもたちが持つ可能性を守り、自己の個性を生かし、充実した人生を送ることができるよう、私ができることに取り組んでいきたいと思います。
修了生からのメッセージ
- 教師として、もう一度学ぶ
私は小学校教諭として様々な発達特性をもつお子さん達と関わってきました。
それぞれの特性に合わせた支援を試みてきましたが、それは限られた知識と経験則に基づく試行錯誤の繰り返しでした。「個々の発達特性についてもっと正しく知りたい、その子に合った支援の仕方を知りたい」と、この研究科を志しました。
講義では各分野の第一人者である先生方から貴重な学びを得ることができました。学部生の頃との大きな違いは、講義で扱われる内容が机上の知識に留まらず、社会人としての経験と結びつけて理解できることでした。
また、演習では、実際に親子の支援にかかわるものから、脳の活動をとらえる脳画像解析、現象を数値的に解析する疫学統計学、発達特性を遺伝子レベルまで遡る分子生物学など、専門的かつ広汎な内容を実践的に学ぶことができ、大きな充実感がありました。
- 多職種との学びが広げた世界
私は小児科医として子どものこころや発達に関する診療に携わってきましたが、脳画像研究に魅力を感じ、入学しました。
連合大学院は医師だけでなく、臨床心理士、学校の教師、看護師など、様々な職種の方が所属しています。そのため、多様な観点から議論がなされ、研究のアイディアを出し合い、協働で研究を行っていくことになりますが、このプロセスそのものが非常に刺激的で、私にとって貴重な経験となりました。
連合大学院に入学したことで、視野が大きく広がり、新たな可能性を見出すことができたと思います。このような機会を与えていただいた皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。
- 仕事を続けながらの大学院進学
科学的な知見が日々新しくなる中、関連分野において第一線でご活躍されている諸先生方に学べることは、言語聴覚士として適切な支援活動を続けていくための自己スキルアップに繋がると感じたことが進学の理由です。
論文執筆にはかなり時間を要しましたが、ある先生が「論文執筆も“行動”だから1日1行でもとにかく書くこと」と励ましてくださったことが力になりました。また理解ある職場であったこと、講義で学ぶことが仕事内容と多く関連していたこと、何よりも諸先生方が温かく見守りご指導くださったことや家族の支えがあってこそ、修了までたどり着けたと思っています。
- 根拠のある支援を目指して
私は、スクールカウンセラーとして、発達障害がある子どもへの支援について助言を求められることがしばしばありました。そんな時は、市販の本を参考に、アドバイスをしていました。しかし、そのようなアドバイスの根拠について理解が不十分なまま伝えるのは無責任に思い、心理学の知識だけでなく、もっと広い知識を身につける必要があると考えていました。そんな時、連合小児発達学研究科という学際的な研究科ができるという新聞記事を読み、迷わず出願することを決めました。研究科では、医学や教育学、心理学などの多岐に渡る重要な基礎知識から脳科学の最新の知見まで接することができました。全てを消化するには時間的には十分ではなかったかもしれませんが、確実にステップアップすることができたと思います。
- 社会人大学院という選択
インターネット、新聞、TVなどで発達障害はじめ、子どものこころに関する報道を目にします。
本研究科に興味を持って子どものこころのケアに取り組もうと思っているかたは問題意識を持ち、何かを解決したい気持ちから門をたたかれることと思います。授業や演習を通しては指導を仰ぐ教員はもちろんのこと、研究科に所属している学生を含めた多分野のエキスパートどの連携・意見交換はその問題解決へ大きな示唆を与えてくれるものです。
一般的に社会人大学院生はまだまだ稀有な存在で、所属先との十分な協議が不可欠です。在学中仕事は山積みですが、取り組むことが自身にとっても所属先にとっても大きな投資になることは間違いありません。
