弘前大学附属子どものこころの発達研究センターでは、子どものこころの問題の早期発見・支援に向けて、乳幼児、小学生、中学生までの子どもの発達を精神医学的観点、発達精神病理学的観点、学校心理学的観点から幅広くフォローする取り組みを行っています。
特に弘前市との連携事業として「弘前市支援ネットワーク構築事業」を進めてきており、就学前の発達健診や小中学校の児童生徒を対象とした調査などを通して、さまざまな発達的・教育的ニーズに応じた支援体制づくりのための活動を執り行ってきました。
発達障害等の初診待機児童の長期化の解消に向けた事業の一環として、Web上で利用可能な一次スクリーニングシステムを開発し、特許申請を行いました。これらを用いて、他の地域でも使えるシステムを産学共同研究として市販できる段階への準備を進めています。このシステムの導入によって、発達の問題を抱える子どもの早期発見の簡便化が可能となり、就学後に適応上の困難さが予想される児童の二次的な障害を未然に防ぐねらいがあります。
子どものこころの健康問題に関する実態および発達的特徴、そしてその規定要因を明らかにするために、弘前市教育委員会との協同体制の下、弘前市内の小中学生を対象としたコホート研究を行っています。調査結果については、児童生徒本人および学校ごとに個別フィードバックシートを返却するなど、子どもが学校生活をより良く送るための支援に活用しています。
日本における幼児期の発達障害の実態を明らかにするため、自閉症スペクトラム症の有病率や併存症状に関する疫学調査を国際共同研究として行っています。また、幼児の睡眠障害の実態について、アジアに共通する問題の特定やアジア内の他国との比較を行うことで、これらの問題に対する支援の方針を打ち出すことを目指しています。
乳幼児の言語発達と実行機能について米国との国際比較研究を進めています。また、幼児の能力を向上させるエビデンスのあるペリー幼児教育の日本への導入と実践を目指しています。さらに、日本で未だ開発が進んでいない、言語および実行機能検査について、米国で研修を受け、日本への導入の準備を進めています。
インターネット依存等を背景として深刻化する親子の睡眠衛生への支援のために開発された、スマートフォン上で利用可能な双方向性アプリケーション「ねんねナビ」の社会実装に向けて、多地点での効果検証研究を進めています。
弘前大学大学院医学研究科 附属 子どものこころの発達研究センター
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(弘前大学大学院医学研究科 附属 子どものこころの発達研究センター)